《よもやま世間噺(2)》
=自虐のお惚け点描①=
初期高齢者に該当するお年頃の洒落たオレンジ世代に突入して、来し方を振り返り診れば、随分と気恥ずかしい 失敗談や珍談(頓珍漢話)が、次から次へと続出するものです。もう少し若い頃であっかたならば、ニンヤリとして「ちくと呆けたかなあ」と薄微笑いを浮かべながら流せていたはずのものが、さすがに肉体的な衰えと共に、「老い」の自覚が芽生えてくると、「フレイル」と呼ばれるような「虚弱さ」の概念を、他人様に説くような立場になってからでは、他人事では済まされなくなっきた深刻な事態ですら、あたかも他人事のように~絵空事であるかのように、さらりと受け流してしまえる能天気(ノーテンキ)な体質を抱えるように、恍惚状態を装う処世術に拠って、世渡りして来たように思います。
図2 悪循環のフレイルサイクル
「健忘」と見紛う「物忘れ」の類には、元より動じることはなく、幾度、飛行機搭乗券の重複予約購入を繰り返してきたことでしょう。これが自分だけの損失のみで、他人に迷惑を掛けたりする弊害がなければ、ちょっとした「お惚(呆)け症」の範疇の扱いで済まし、ニヤッとするだけの顛末だったと処理されますが、自分以外に他の知人の分まで出しゃばって重複購入してしまってたとしたら、ただの呆けでは済まされない後遺症が遺る結果に陥るのです。他人と会う約束の重複失敗談(ダブル・ブッキング)や、約束の待ち合わせ時間(&場所)の失念等が日常茶飯事の現象になって、頻発するようになると、さすがに自らの能力の低下を案じ、社会人としての当たり前の生活力に自信喪失してしまう事態に陥るのです。そうなると外に出掛ける意欲すら減退していく一方で、必然的に引き籠もってしまう日常と成らざるを得ず、筋力も低下し、所謂「ロコモティブ・シンドローム」の状態と共に、「フレイル」に向かう奈落の底が見えてくるのです。
生活障害として捉えねばならぬような行為で、社会生活に支障をきたしてしまうレベルの身に覚えのある自らの体験から、奇行現象の数々を列挙してみると、感情失禁・易感涙・激情(昂)・易激怒・作話・詐称・失火・鍋焦がし・水栓締め忘れ・鍵掛け忘れ・物置き忘れ・鍋黴醸造・塵屋敷造成・部屋埃蓄積・重複約束事項(ダブル・ブッキング)・重複(過剰)購入・過剰買溜・過剰債務・無為散(逸)財・切迫排泄感・糞(尿)失禁・陰茎自慰(千摺)・誤薬・人物誤認・誤乗車・誤認知・模倣災害弱者気取・欺犠牲者・補陀洛渡海願望・即身成仏妄想・艶酒戯妄想・変質執着付纏い(ストーカー)願望・変質者擬女犯性欲妄想・断捨離棄却強迫観念・深夜(ミッドナイト)(丑三つ時)執筆活動(昼夜逆転現象)・戯言吐露願望・杖付き盛り場徘徊(出たきり老人演出)願望etc.等々の思い当たる愚行が数限り無く湧き出してくるのです。無常なるかな日常生活行動(ADL)上の介助を必要とするような要介護状態には至らぬまでも、どう見積もっても明らかに要介護に限りなく近づいたレベルとなって、概ね要支援「2」状態であることは確かであろうと、自虐的な自己診断に至った次第です。
要介護・要支援について
LIFULL介護 様より引用