社会福祉法人 尽誠会

《よもやま世間噺(9)》

=失言大臣&暴言政治屋=

 言論の自由が保証される世の中にあっても、お役人則ち公僕(官僚・大臣等々)や政治に携わる輩(政治屋達)の失言・暴言がちっとも後を絶ちません。発足したばかりの新たな岸田新内閣においてこそ、未だ失言報道等の不測のエピソードが発生してはいませんが、決して大臣の質のレベルアップとはいえず、単なる時間の問題に過ぎないのでしょう。一昔前であれば、喧嘩腰の粗暴極まりない立ち振舞いで、べらんめえ口調の江戸っ子下町気質を「売り」にして、鯔背な男気が粋とされていた御仁の通称「浜幸」と呼び馴らされる外道気取りの「気骨のある漢」のイメージで、ヤクザっぽさを演出しながら、国会内乱闘の現場では先陣を切る等、愛嬌たっぷりのお爺さんが、超マスコミ受けしていた中、堂々と世間に幅を利かせては、暴言を吐き続けた時代もありました。

 がしかし、最近では一昨年の安倍内閣でのこと、人気取り人事とも揶揄されていたプリンスのような二世議員が、将来を嘱望されてのことか、文字通りの人気取りそのものの意図か、大臣のポストにまで祭り上げられたばかりの時期に、お茶目な洒落っ気を発揮しての現象だったのか、公務の記者団会見の席で、失言擬き(洒落?)の言葉を発してしまったことがありました。国際会議(国連)の場で地球温暖化対策を必死に訴える少女に対して、「セクシー」と茶化しぎみに評論したエピソードが、マスコミの話題を席巻したことがありましたが、自らの勉強不足を棚上げにして、突発的な茶目っ気含みの台詞で、場を濁す得意技を繰り出したものでしょうね。ここではお決まりの謝罪&辞職コースの顛末には至らず、たまたま首相側近大臣による失言となった「お受験の身の丈」発言と連動するようなタイミングと重なったことにより、「辞任ドミノ」の連鎖を招くことで、再び倒閣の憂き目かなと思いきや、社会的な反応としても、政界の貴公子(プリンス)を衛ろうという扱いの雰囲気に包まれての顛末となり、いったんは政権中枢による「火消し」作業が相次いだ結果、事無きを得たようです。

 

 

 閣僚の「辞任ドミノ」現象の後に来るお決まりのコースは、総理大臣の任命責任を追求する段取りとなることです。任命前に把握しておくべき議員の「身体検査」の甘さと緩さを指摘する世論が、マスメディアや閣外政治屋達の必然的な反応となるのですが、馴れ合いの国会劇場の中で、シャンシャンの手打ちとなって、恙無く幕引きとなるのが世の常のようです。

   先の安倍晋三内閣の超長期政権時代には、傲慢な政権運営体質が政界に係わる様々な領域で罷り通って、閣僚等の政治屋達に留まらず、官僚等の堅物お役人にまで蔓延してしまい、横領や公文書偽造といった有り得ない不祥事が頻発する程に弛緩した時代ではありました。「嘘ばかり内閣」とも揶揄される中で、森友学園問題は首相妻まで連動した社会問題に波及し、その煽りを受けて、官僚である佐山理財局長の公文書改ざん問題に拡がった経緯は記憶に新しいところです。平成元禄の時代とでもいうべき娯楽・退廃文化の享受や急速伝播(拡散)だけではなく、どっぷりと浸かり切った世相の中で、じんわりと醸成された体質だったのでしょうね。

    近いところで先日、首班指名されて組閣に臨み、臨時国会での所信表明演説を済ましたばかりの岸田新内閣も、早速、ケチの付きそうな火種を抱えています。先の衆議院総選挙の小選挙区で、落選して議員バッチを外したばかりの古参(10期歴任)のタレント政治家を、内閣官房参与に登用し、波紋を呼び起こしている問題です。選挙区地元の有権者から異論が唱えられ、抗議の声が巻き起こっているのです。失言・暴言問題とは異質の現象ではありますが、暫く政権運営に尾を引いてしまいそうな気配が漂ってきます。有能な盟友を起用したんだとの弁明も空虚な言い訳に過ぎぬ印象で、過去にも安倍長期安定政権時代に、親しい盟友で固めた人事編成を「お友達内閣」と揶揄され、誹りを受けて物議を醸したことがありました。有能な盟友を起てる友情の為す美談擬きの任命権の行使が、足元を掬うような不祥事に展開しないことを祈るばかりです。