社会福祉法人 尽誠会

院長のご挨拶

社会福祉法人尽誠会付設の『じょうないクリニック』に10月1日付けで赴任したばかりで、図らずも院長職を拝命する辞令交付されることになった『西山弘文』と申します。慣れぬ管理職の端くれとして、自らの医療理念を重ね合わせた行動規範をお伝えすることで、時代を先取りした医療の在り方を実現できるように邁進して参りたいを存じます。

 

私自身が医療を志す動機付けとなったのは、地域医療に携わる過程で保険予防活動の実践を通して、地域コミュニティー創りに参画することを目指そうとする『志』でした。医師に成り立ての頃の研修時代に、先人の金言として学んでいた『予防は治療に勝る』と説く予防医療の概念となる格言と出会ったことにより、さらに意を強くし、それを契機に改めて『熱い志』を固めた体験だったのでした。

 

『短命県返上』のキャッチフレーズを謳う青森県の地域医療現場に携わっていた環境にあって約30年程は、病気の発生を防ぐべく生活習慣の改善を促して、疾病の早期発見・治療に導く健康診断受診の意識を昴める『一次&二次予防』の生活促進が肝要であることは言うまでもありません。ところが私達の守備範囲においては、そんな範疇に留まらず、例え慢性の疾病や障害を抱えようとも、それ以上の症状の進行・増悪や障害の再発を抑え込むことを目指す予防策(三次予防と考える)を促進することにより、健康寿命を延ばし、健やかな長寿社会を構築することこそが南部の理想郷創生に直結するものだといえるでしょう。さらに様々な障害や生活上のハンディキャップを抱えたお年寄りや障害者の暮らしを支えるべく、共生社会の構築に向けて、社会構造の変革を目指すことも、そうした取り組みの中から実現できるものと思われます。

 

高齢者に起こりがちな低栄養状態やそこに随伴してくる『サルコペニア』さらに『フレイリティ・サイクル』に陥る虚弱状態の悪循環を断ち切るようなアプローチが大切になります。まさに私共の守備範囲として実践すべき医療の在り方を示すエッセンスそのものだと思われます。地域保健予防活動という啓発活動を基本にして、管理医療の実践を開発・継続したいと思います。

 

階上岳南側の兵陵地帯に位置する『じょうない』の過疎地域に吹き下ろす寒風に向かい『風に立つライオン』でありたいと祈念しつつ、自らの浪漫を語ることで就任のご挨拶と致します。併せて、これからの診療を続ける中で日常の雑事に忙殺されて、愚堕滅きたくなる情況が多々発生するだろうと容易に想定されますので『院長の戯言』と題するこの呟きコラムを設けることにより、不定期にでも皆様に頓珍漢な愚堕滅きの台詞をお伝えしながら、瓦斯抜きしていければと思います。宜しくお付き合いの上、しょぼくれたヘタレ節を唱える内容ながら、御読取下さいますようお願い申し上げます。